これは脊柱(背骨)の持つカーブによるものです。
DNAが近いチンパンジーなどの類人猿は、脊柱全体がうしろに湾曲、つまり後弯していますが、人の場合は「頸椎→前弯、胸椎→後弯、腰椎→前弯」と、S字状にカーブしています(下の図。※外部配信先では図を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
このカーブは人類の進化の過程で獲得した便利な機能で、車でいうダンパー(ショックアブソーバー)の役割をしています。歩行やジャンプなどの着地時に地面から受ける衝撃を和らげて、重要な脳がダメージを受けるのを防いでいるのです。
ただ、この便利な機能も、仰向けに寝る際には少しやっかいになります。
後弯している背中の上部(肩甲骨付近)とお尻が圧迫されるからです。これによりカーブが緩やかになってフラットな状態に近づき、骨盤がうしろに傾いてしまいます。
骨盤の後傾は何が問題か
骨盤が後傾すると、日常生活でもスポーツ競技でも弊害が生じます。背骨が正しいS字カーブであれば骨盤はやや前傾となり、股関節を軸に脚(大腿部)を後方に15~20度程度振ることができます。
脚を後方に振ることは、人が活動をする上で大きなアドバンテージとなります。地面を後方に蹴り、反作用を受けて前方に推進できるからです。
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