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"走るスマートフォン"が車業界に革命を起こす シャオミのEV「SU7」が示す未来のモビリティ

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  • 山根 康宏 携帯電話研究家・ジャーナリスト
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シャオミのエコシステムはこれまで人とモノをつなぐものだった。しかし、SU7の投入によりその世界は移動空間へ広がり、日常生活のほとんどのシナリオをカバーすることになる。シャオミは人々の生活をよりスマートに、快適にすることを目的として、システムの統合を進めている。

HyperOSによるSU7の車内操作(筆者撮影)

SU7の乗りごこちは体験できなかったものの、スマートフォンと統合された車内システムの完成度を見ると、スマートフォンメーカー側からの自動車へのアプローチは、時代に合った流れと感じられた。そう考えると、アップルがEVの開発を断念したという話も「本当にそうなのか?」と思えてしまう。そもそもアップルのEV開発は公式な発表すらなかった。アップルにはCarPlayがあるが自動車システムと融合されたものではなく、SU7の体験には及ばない。アップルはEVの開発を断念したのではなく、「時期尚早として延期した」と私には思える。

なお、スマートフォンメーカーによるEVの開発はすでにファーウェイが先行しており、2021年に「AITO」を中国で発売した。このAITOは自動車メーカーのSeres(賽力斯)と協業して開発したものだ。AITOにもファーウェイのスマートフォンが採用するシステム「HarmonyOS」が搭載され、スマートフォンとのスムーズな接続体験を特徴とする。また、ファーウェイ以外にも大手自動車メーカーGeely(吉利汽車)がスマホメーカーMeizuを買収して同社のシステムを採用するなど、中国では自動車とスマートフォンの融合が確実に始まっている。

シャオミはEV市場を席巻するか?

とはいえ中国のEV市場は逆風が吹いており、多くのメーカーが苦境に立たされているのも事実だ。新興EVメーカーのNIO(上海蔚来汽車)は2023年のEV販売台数を前年より増やしたものの、低価格競争に巻き込まれ同年決算は赤字幅を広げた。NIO以外でも新興メーカーを中心に中国のEV市場は暗い話がこのところ多い。こうした状況の中でシャオミのEVは販売数を伸ばすことができるのだろうか?

シャオミの2024年第2四半期(4月~6月)の決算によると、EVの納車台数は2万7307台だったという。ちなみに2024年通期の納車台数の目標は12万台だ。テスラの発表によると同社の2023年のEV販売台数は180万8581台。シャオミはその1/10にも満たないが、新興メーカーの1年目の数字としてみれば十分に健闘した数だろう。

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