EVシフトによって自動車1台あたりの採用数が3割減るといわれるベアリング。その大手3社の一角であるNTNが、「EV化は成長のチャンス」と言い切る理由は何か。
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世界的に進む自動車のEVシフト。動力が電気に変わることで、必要な数が大幅に減少する部品がある。軸をなめらかに回転させるために用いられる、ベアリング(軸受)だ。
大手メーカー幹部によると、エンジンと変速機にはベアリングが何十個と使われているが、それらがモーターと減速機に置き換わると、一般的に計8個の採用にとどまるという。自動車全体で見ると、1台あたり約3割のベアリングが不要になるとされている。
「軸受メーカーの将来は大丈夫なのか」と不安視する声もある一方、大手3社の一角であるNTNは、EVシフトを「商機」と公言する。その背景には、電気化の影響が少ないとされる足回り製品への絶対的な自信がある。ピンチをチャンスに変える、同社の戦略を追った。
EVシフトは単価を上げる機会
「同業他社さんと比べると、EVシフトによる影響は少ない。むしろ、成長するためのチャンスと捉えている」
NTNの自動車事業本部・事業企画部の照井克彦部長は、そう断言する。強気の源泉は、シャーシとタイヤを接続して回転を支える「ハブベアリング」を主力製品とする事業構造にある。EV化でエンジンなどの動力関連のベアリング数が激減したとしても、足回りの構造は基本的に変わらない。つまり、需要が減るとは考えにくい、ということだ。
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