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曙ブレーキが狙うEV時代の「ブレーキの勝ち筋」 ブレーキはなくならない。性能要求が高くなる

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EVシフトの影響があるのはエンジン関連企業だけではない。需要の変化を通じて自動車産業にかかわるあらゆる企業に影響を及ぼす。それは危機であると同時にチャンスでもある。自動車ピラミッドはどこに向かうのか――。

ブレーキはなくならないが求められる性能が高くなる。交換周期が長くなることで単にモノを売るだけではいけなくなる、と宮地社長は語る(撮影:梅谷秀司)

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曙ブレーキ工業は国内外の自動車メーカーを顧客に抱える独立系の大手ブレーキメーカーだ。ただし業績は苦戦が続く。2019年に事業再生ADR手続きの下で金融支援を受け、現在は経営再建に取り組んでいる。そんな中で加速するEV(電気自動車)シフトにどう対応するのか、宮地康弘社長に直撃した。

高性能化要求が進んでいる

――EVが増えていくとブレーキメーカーにとってどういう影響がありますか。

摩擦ブレーキがなくなることは当面ない。ただ、求められる性能が変わってくる。大量のバッテリーを搭載するためEVはこれまでのエンジン車より重くなる。タイヤを回す力(トルク)も大きくなるので急ブレーキの性能はむしろ必要となる。

もう少し細かく説明すると、現時点ではEVは車体前方が重い"フロントヘビー”が主流であるため、フロント(前輪)ブレーキの高性能化要求が進んでいる。一方、リア(後輪)のブレーキは「回生ブレーキ」があるので、ブレーキに大きなパワーは求められない。そういった変化が起きている。

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