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経営破綻後のマレリ「集中とスピード」で再生中 CEOが語る再建の現状、日産との連携、中国戦略

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EVシフトは自動車産業にとって危機であると同時にチャンスでもある。経営危機にあった部品メーカーはこの変革をどう乗り越えるか。

マレリホールディングスは、日産自動車の子会社だったカルソニックカンセイがKKRに買収された後、イタリアのマニエッティ・マレリを買収して誕生した会社だ。2022年に経営破綻し再建を図っている。スランプCEOは経営状況は改善していると強調した(記者撮影)

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自動車部品大手のマレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)は投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の下、経営再建の最中だ。今後、EVシフトに向けてどう舵を取るのか。最大の顧客先である日産自動車との関係や中国での戦略をどう展望するか。マレリのデビッド・スランプCEOを直撃した。

――本決算を終えて、最大の焦点だった黒字化は達成できたのですか。

これまで赤字が続いてきたが、2023年12月期はEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)ベースでは黒字化できた。受注残も増えてきていて、計画していた以上にうまくいっている。

過去12カ月の月間売上は伸びてきているし、収益性も改善している。残念ながらそのために多くの人材を解雇せざるを得なかったが、製造拠点の再編も行い、固定費のコスト構造を改善することができた。

日本の多くのメディアがマレリについて否定的だが、このことは最初にはっきり言っておきたい。われわれは収益を上げているし、キャッシュフローもポジティブだ。こうした変化について、出資者も満足してくれている。

ソフトウェア企業のようなやり方に変化する

――ボッシュやデンソーなど自動車部品の世界大手がEV対応のために巨額の投資をしています。経営再建中のマレリは十分な研究開発ができるのでしょうか。

集中とスピード。この2つをキーワードに進めている。まず集中についてだが、全世界で、すべての顧客に、何でも提供するということはもうできない。それに、開発しても販売できなければどうしようもない。私たちは人員も資金も制約が大きいので、製品のポートフォリオを絞り込むこと。これを集中といっている。

そして、スピード。昔のように2年かけて売ってみて「どうなるか見てみよう」というようなやり方はしない。アイデアがあったらまず最低限のコンセプトで試作してみて、顧客からフィードバックをもらう。

このやり方では、3カ月以内に(研究開発を)拡大するかどうかを決める。要するに、伝統的な自動車部品のサプライヤーというより、ソフトウェア企業のようなやり方に変化しようとしているということだ。

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