住宅購入は人生で一番大きな買い物。それは令和の現在も変わらない。しかし東京23区では新築マンションの平均価格が1億円を超えるなど、一部のエリアでは不動産価格の高騰が止まらない。
不動産市場の変遷や過去のバブル、政府や日銀の動向、外国人による売買などを踏まえ、「これからの住宅購入の常識は、これまでとはまったく違うものになる」というのが、新聞記者として長年不動産市場を研究・分析してきた筆者の考え方だ。
新刊『2030年不動産の未来と最高の選び方・買い方を全部1冊にまとめてみた』では、「マイホームはもはや一生ものではない」「広いリビングルームや子ども部屋はいらない」「親世代がすすめるエリアを買ってはいけない」など、新しい不動産売買の視点を紹介。変化の激しい時代に「損をしない家の買い方」をあらゆる角度から考察する。
「1億円超でも狭い」都心マンション事情
2023年に発売された東京23区の新築マンションの1戸あたりの平均価格は1億1483万円、広さは単純計算で、平均66.5㎡だ。
66.5㎡なら、2LDKか狭めの3LDKだろう。
たとえば両親と子ども2人の4人家族では、狭く感じるかもしれない。
それでも、「億ション」である。
都心で購入可能なマンションを探せば、マイホームは狭くなる一方だ。
「ご家族のことを考えるなら、やはりゆとりが大切ですよ」などと広い物件をすすめられ、予算が3割以上オーバーしたなんていう話もよく聞く。
とはいえ、広さと予算を優先すれば、マイホームの候補地は23区どころか習志野市(千葉県)、海老名市(神奈川)、春日部市(埼玉)より以遠となるだろう。
このような状況において、「資産価値の高い都心のマンションを手に入れ、なおかつ快適に暮らす」という自己防衛はできないのだろうか?
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