長嶋修が語る「2025年不動産市場の行方と提言」 2025年注目は「セカンドベスト」の不動産

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朝日と富士山と街並み
2025年の不動産市場はどうなっていくだろうか?(写真:Yoshitaka / PIXTA)

2024年も、不動産価格は高騰傾向を維持した。都市部で分譲される新築マンションは「億ション」を超える「2億ション」も増加し、日経平均株価の上昇に追随するように都市部の中古マンション価格も上昇の一途をたどっている。

"強い不動産"がますます強くなる一方で、3月には日本銀行がマイナス金利政策を解除。現在7割以上の人が選択している住宅ローンの変動金利にも一部上昇傾向が見られていることもあって、"弱い不動産"から徐々に失速感が見られ始めている。

2024年は徐々に「格差」が浮き彫りに

2024年初から日経平均株価は急騰し、3月には4万円の大台を突破した。2022年に刊行した拙著『バブル再び 日経平均株価が4万円を超える日』(小学館新書)が現実のものとなったのだ。

「日経平均株価」と「都心3区中古マンション成約m2単価」
東京の都心3区(千代田区・中央区・港区)中古マンション価格と日経平均株価の推移。都心5区、7区程度まで広げても大きな違いはない(画像:東日本不動産流通機構と東京証券取引所の資料を参照し、さくら事務所作成)

都心部の不動産価格は、日経平均株価に連動する。まさに都心3区、6区あたりのマンション価格は株価に追随する形で2024年も高騰傾向にあったが、日経平均株価が再び4万円を超えることがあれば、過去の推移からしても都心部のマンションはもう一段上昇する余地がある。

一方、一戸建てについては新築、中古ともに2022年後半頃から失速感が見られている。

コロナ禍で住み替え需要が拡大し、テレワークも一般的になったことから、マンションに比べて広く「+1部屋」がかなう戸建ての人気が高まったが、その需要ももはや一巡。年度末には投げ売りのような現象も見られた。平均価格こそ大きく下落していないものの、鳴かず飛ばずといった状況だ。

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