45歳以上は知らない「学校で教わる"新常識"」 「家庭科の教科書」にギャップを埋めるカギ

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小林:男性が育休をとったり、子育てに積極的に参加したりする人も増えてきています。45歳以上の方たちはぜひ、高校の家庭科の教科書を読んでいただきたいです。家庭科の指導内容は社会の変化に合わせてスピード感をもって更新しています。

そういう授業を受けた学生たちがインターンにきていたり、就活したりしています。

篠田:いま思いついたのですが、各企業の経営者や管理職の方は、教科書の内容をもとに読書会をしたらいいかもしれないですね。

無形資産の重要性

篠田:小林先生から、いまの学生たちは自分で自分の人生を選択することを学んできていると聞きました。リンダさんが『16歳からのライフ・シフト』でくり返し伝えている、「自立した人生」の話につながりますね。

小林:まさに、大切なのは自立と共生。現在日本の16歳の平均寿命は、107歳になると予測されています。今後ますます長くなっていく人生は、いままでのやり方や価値観では通用しなくなるでしょう。せっかく長くなっていく人生を前向きに楽しんでいけたらどんなにいいでしょう。好奇心を持ち続け、健康に留意し、自分と周りの人を大切にして、あらゆる世代のウェルビーイングの向上につなげていきたいですね。

篠田:いまお話しくださったことは、リンダさんが「無形資産」という言葉で表現されていました。学び続ける力、心身を健やかにメンテナンスすること、交友関係を豊かにする力。これらが重要になってくると提言しています。

小林:地域とのつながりや年代の違う人たちと関わりを持つことも、新たな発見があり豊かさにつながっていくでしょう。

篠田:私はリンダさんのファンなので、いろんなインタビューを拝見しているのですが、リンダさん自身がマルチステージの人生を歩まれているんです。研究者でありながら、ご自身のコンサルティング調査の会社も経営されていますし、シングルマザーで息子さんを2人育てながら、8年前に再婚されている。ご自身がライフ・シフト的な人生を歩いていらっしゃる、素敵なロールモデルだなと思っています。

翻って私たちは、若者が学んでいる教科書でうたっているような人生観を体現できているんだろうかと胸に手を当ててみたくなりました。

小林:「16歳から100歳のためのライフ・シフト」というタイトルの講義でしたが、どのような大人でいるべきかも考えさせられる内容でしたね。

(構成:佐藤友美)

『16歳からのライフ・シフト』の特設サイトはこちら(画像をクリックするとジャンプします)
篠田 真貴子 エール取締役

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しのだ まきこ / Makiko Shinoda

エール株式会社取締役。社外人材によるオンライン 1on 1を通じて、組織改革を進める企業を支援している。2020年3月のエール参画以前は、日本長期信用銀行、マッキンゼー、ノバルティス、ネスレを経て、2008年〜2018年ほぼ日取締役CFO。退任後「ジョブレス」期間を約1年設けた。慶應義塾大学経済学部卒、米ペンシルバニア大ウォートン校MBA、ジョンズ・ホプキンス大国際関係論修士。人と組織の関係や女性活躍に関心を寄せ続けている。『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』『ALLIANCE アライアンス――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用』監訳。『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』巻頭言ほか。

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小林 美礼 全国家庭科教育協会常任理事

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こばやし みれい / Mirei Kobayashi

専門の家庭科教育では、よりよい生活と未来について考え、社会の課題を本気で考える授業を目指す。国立大学法人筑波大学附属中学校(先導的教育・国際教育・教師教育拠点校)に勤務し、管理職として学校経営にも関わった。日本教育大学協会中学校部会会長、全国国立大学附属学校連盟副校長部会会長などに従事。筑波大学院キャリアマネジメント講師、筑波大学教員免許状更新講習講師を務めた。現在は家庭科の教員養成のために、複数の大学で講義をしている。人がよりよく生きることや、あらゆる世代のWell-being向上を願う。中学・高校の家庭科教科書編著者。近著は「命のバトンで育てる体」国土社。
全国家庭科教育協会常任理事。日本女子大学院家政学研究科修士。

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