日本はそろそろ就活を「通年化」するべきだ!

今回の「就活後ろ倒し」も中途半端?

それでも、海外の大学に比べれば学業に専念できる期間はまだまだ長くはありません。海外の大学では4年生の卒業をはさんで就職活動が行われるくらい、日本に比べれば就活は遅いスタートです。それでも、今回の就活の後ろ倒しは大きな一歩だと評価していいのではないでしょうか。

中小企業の悩み「オーガストブルー」

ただ、後ろ倒しの要請に呼応したのは大企業だけ。解禁前に中小企業は内定を出しています。しかし、中小企業が苦労して採用した人材は、大企業の採用が始まるとどうなってしまうのか。

せっかく採用した学生を大企業に後から奪われるかもしれないとの心配が「オーガストブルー(8月の憂鬱(ゆううつ))」と呼ばれているようです。ちなみに7月1日時点で50.6%の学生が内定を得ていますが、そのまま入社するのは1割~5割とのこと(ディスコ調べ)。では、中小企業はどうしたらいいのでしょうか? 取材した外食系企業は20名ほど内定を出していますが、

「当社を保険と考えている学生が多いような気がしています。大手が内定を出し始めたら全滅(内定者が全員辞退)するのではと心配が尽きません」

と本音を話してくれました。その会社が学生に内定を出したのは4月初旬。これまで、交通費を払って何回も内定者を集めて勉強会などを企画。フォローを繰り返してきました。現在までは「御社に入社します」と誠意があるように思える回答を学生たちからもらっていますが、心配になる理由のひとつが

例年より上位校の学生が内定を承諾していること

 

なのだそうです。内定者が、社内にはほんの数名しかいない相対的にレベルの高い大学の学生ばかりなのです。

例年であれば、内定を出しても辞退されるからとあきらめていた上位校の学生が、もしかしたら入社してくれるかも……と期待して、内定を出してしまう。これは仕方のないことかもしれません。ただ、このように淡い期待を抱いて前倒で内定を出して、実際に入社までこぎつけるケースはまれです。

当方が取材した医療系の中堅企業は、数年前に約1カ月、内定の時期を前倒しにしたところ、例年よりワンランク上の学生に内定を出せることになりました。人事部も経営陣も「努力が報われた」と大喜び。ところが、1カ月後には内定を出した学生たちが全員辞退。その年の採用はゼロに終わるという、採用業務の大失敗として会社の歴史に刻まれる大失態となってしまったのです。人事部長は責任を取って降格することになりました。こうしたぬか喜びになることを中堅企業は恐れているのです。

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