プロが教える「読めばお金に強くなる」厳選本3冊 人生というゲームでの「お金の扱い方」を学ぶ

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3冊目は、「人生というゲーム」の中で、お金をどのように位置づければいいかを学べる本です。

お金以外に増やすべき資産

(『きみのお金は誰のため』第3話 お金の謎3「みんなでお金を貯めても意味ない」より)
「年金問題もそれと同じなんや。お金が足りないんやない。少子化によって、生産力が足りなくなるんや。1個しかないパンを若者と老人の2人で奪い合うようなもんや」
(中略)
「無理ゲーですよ、それ。お金貯めても、物が足りなければ、値段があがるんですよね。お金をたくさん持っていたらイスに座れるけど、誰かがイスからはじき出されるってことでしょ?」
(中略)
「年金の問題を解決するには、お金を貯めてもしょうがない。少子化を食い止めたり、一人当たりの生産力を増やしたりしないとあかん」

少子高齢化が進んで働く人が減れば生産される物は減りますし、医療や介護などのサービスも足りなくなります。すでにさまざまな分野で人材が足りない状況に陥っています。

私たちは将来に備えてお金を貯めようとしていますが、そもそも物が足りなければ物価が上昇します。ありつけない人がどうしても出てきます。

問題解決には、国全体で少子化対策や生産性の向上に取り組む必要があります。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

では、個人レベルで備えることはできないのか。それについて教えてくれるのが、最後に紹介する『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』です。

お金を増やすことに囚われていると、「老後の不安=お金の不安」になってしまいますが、著者のリンダ・グラットンさんは、人生100年時代に備えて生産性資産、活力資産、変身資産という3つの資産を備えたほうがいいと提案しています。

自分自身の将来の生産性を高めることが、老後の不安を払拭してくれるのです。

これらの本は、単なる金融知識を超えて、経済や社会の本質を見せてくれます。

「お金を増やすゲーム」から抜け出して、人生を豊かにするためにこそ、お金の勉強をすることをおすすめします。

田内 学 お金の向こう研究所代表・社会的金融教育家

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たうち・まなぶ / Manabu Tauchi

お金の向こう研究所代表・社会的金融教育家。2003年ゴールドマン・サックス証券入社。日本国債、円金利デリバティブなどの取引に従事。19年に退職後、執筆活動を始める。

著書に「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」総合グランプリとリベラルアーツ部門賞をダブル受賞した『きみのお金は誰のため』のほか、『お金のむこうに人がいる』、高校の社会科教科書『公共』(共著)などがある。

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