プロが教える「読めばお金に強くなる」厳選本3冊 人生というゲームでの「お金の扱い方」を学ぶ
1冊目は、お金が持つ「二面性」を学べる本です。
怪物なのかシステムなのか
(『きみのお金は誰のため』第1話 お金の謎1「お金自体には価値がない」より)
「お金自体に価値があるわけやない。税を導入することで、個人目線での価値が生まれて、お金がまわりはじめるんや」
ボスの話には説得力があった。ただの紙切れで人を働かせるなんてすごいとは思う。しかし、優斗は半ばあきれていた。
「そこまでして、政府ってのは、僕たちを働かせたいんですね」
「ちゃうで、ちゃうで。政府は王様やない。(家庭内紙幣の導入によって)優斗くんたち兄弟が家事をするのは、王様のためやなく、自分たちの生活のためなんや。これまでは、家事をすることも他の兄弟のために働くこともなかったやろ。ところが、みんながお互いのために働く社会に変わったんや」
お金というシステムの導入は、「みんながお互いのために働く社会に変わった」という良い面もありますが、その裏で大きな経済格差を生み出しています。
『資本論(まんがで読破 010)』では、資本主義という怪物の歯車に労働者がどのように組み込まれて「搾取」されてしまうのかが、まんがでわかりやすく説明されています。
そして、山崎元さんによる巻末の作品解説が、「社会・経済の仕組みを知らないと経済格差の不利な側にどんどん押しやられていく」というメッセージからはじまります。
有利な側、資本家になろうと考えて投資を始める人が増えていますが、ここで書かれているような社会や経済の仕組みを知らないと、必要のない投資商品を売りつけられて、気付かないうちに「搾取される側」にまわっていたりします。
貨幣のもつ「信用」について説明している箇所では、「信用のない人こそ、貨幣を持ちたがる」という本質を突く言葉にドキリとさせられます。
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