プロが教える「読めばお金に強くなる」厳選本3冊 人生というゲームでの「お金の扱い方」を学ぶ

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2冊目は、「円という通貨」の価値をどう考えるべきか、そのよりどころを示してくれる本です。

日本でお金の価値が下がる理由

(『きみのお金は誰のため』第2話 お金の謎2「お金に解決できる問題はない」より)
「その通りや。お金を払うというのは、自分で解決できない問題を他人にパスしているだけなんや。しかし、僕らはお金を払うことで解決できた気になってしまう」
(中略)
「貿易赤字って、外国にお金が流れるのが悪いんでしょ。だったら、お金を印刷しちゃえばいいんじゃないですか」
「おもろいアイディアやな。せやけど、問題は国内にある日本円が足りなくなることやない。外国が日本円を大量に持つことや」

食料やエネルギーなど生活に必要不可欠なものの自給率が低く、他国に頼らざるをえない日本。

この問題も、他国にお金を払うことで一見解決できているようですが、それによって日本からお金が流れ出ています。その結果、円安が進み、昨今の物価高にもつながっています。

今後、日本円はどうなるのか、将来に備えて外貨を保有したほうがいいのか、心配している人も多いと思います。

弱い円の正体 仮面の黒字国・日本 (日経プレミアシリーズ)
『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本』(日経BP 日本経済新聞出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

通貨の価値については、円の信用力、通貨量など漠然とした議論をする専門家が多い中、『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本』では、みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔さんが、国際収支の表面的な数字だけでなく、お金の流れを追った分析で価格決定に踏み込んだ議論を提供してくれています。

また、円安をもたらしている日本経済の構造的な問題についても言及されており、将来に向けて私たちがすべきことも提示してくれています。

「来年には、1ドル〇〇円になっています」と天気予報でもするかのようなエコノミストもいますが、通貨価値の未来は自然現象ではありません。本書からは、「日本が抱えている問題をどうにか解決して、未来を変えていかないといけない」といった唐鎌さんの危機意識も感じられます。

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