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元ゴールドマン田内氏に聞く現代版「お金の哲学」 経済教養小説『きみのお金は誰のため』著者

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「お金さえあれば解決できる」と考えるのは危険だ。

お金の向こう研究所代表・社会的金融教育家 田内学氏
田内 学(たうち・まなぶ)/お金の向こう研究所代表・社会的金融教育家。2003年ゴールドマン・サックス証券入社。日本国債、円金利デリバティブなどの取引に従事。19年に退職後、執筆活動を始める。著書に『お金のむこうに人がいる』、高校の社会科教科書『公共』(共著)など

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著書である『きみのお金は誰のため』の大ヒットで注目されるのが田内学氏だ。田内氏にお金の哲学について聞いた。

 

──お金をめぐる考え方に影響を与えた出来事はありますか。

ゴールドマン・サックス証券でリーマンショックを経験した。

そのときかなりの人が解雇されたが、能力に関係なく、売れていない部署やグループごと切られていった。売れないということは、世の中の役に立たないということ。世の中の役に立つからこそ、会社も社員もお金を受け取ることができる。

国ごと沈みつつある

会社という箱を通して私たちは世の中に役立つものを提供しなければならないし、会社が私たちを支えているのではなく、世の中に必要なものを私たちが提供しているから会社は存続できるのだ、と感じるようになった。

日本では、社員が価値を提供できなくても解雇されることはあまりないが、それに危機感を持たなければ会社全体が沈んでいく。それでも雇用を優先し、国は企業を潰さないよう守る。すると役に立てていない企業が生き延びる。その結果、国ごと沈みつつある。この状況を脱するにはそれぞれが何をすべきかを考え、世界の役に立つ仕事をしていかなければならない。

──お金だけでは解決できないのですね。

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