有料会員限定

「脱マイナス金利」 いま知りたい国債・金利の基本 『日本国債入門』を書いた経済学者が解説

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小

そもそも国債とは何か。

日本銀行の看板
(写真:enterFrame/PIXTA)

特集「株価4万円時代の「お金」超入門」の他の記事を読む

新NISAが始まり、日経平均株価は4万円時代へ。マイナス金利も解除され、経済や投資の環境は一変した。
『週刊東洋経済』4月6日号の特集は「株価4万円時代の『お金』超入門」だ。その道のプロ達を伴走者に、今こそ「お金」について考えよう。

「国の借金がこんなに増えて大変」と、国債は財政の話でよく出てくるが、実はお金や投資を知るうえで欠くことのできない存在だ。著書『日本国債入門』が好評の服部孝洋・東京大学特任准教授に教えてもらった。

 

Q1 国債って何? 国債の金利がなぜ注目されるの?

国債は、国がお金を借りるために発行する債券だ。銀行からお金を借りることと債券発行とで何が違うかといえば、債券は転売ができる。メルカリのような中古市場が存在するため、その時々の値段(=時価)がつく点が特徴だ。

『週刊東洋経済 2024年4/6号[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

債券を持っていて毎年得られる金額(金利)は決まっていて、契約期間の最後(=満期)には元金が返ってくる。

一方、株式を持っていて得られる配当は企業の業績次第で上下する。株式会社が倒産したら株式は無価値になるが、債券の保有者は、財産が残っていれば、優先的に返済を受ける。株式より債券のほうがリスクは低いのだ。

投資の際、リスクがあると知れば、それに応じたリターンを求めるのが自然だ。例えば私が会社を設立して資金を調達したいとする。読者がお金の出し手になるとしたら、私の会社が発行した株式はリスクが高いのだから、それ相応の配当がなければ株式を買いたくないだろう。逆に債券であれば、配当よりリターンが低くても受け入れやすいはずだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
株価4万円時代の「お金」超入門
カリスマに学ぶ株価4万円時代の「お金」超入門
ジム・ロジャーズ、清原達郎、パックン、出口治明…
ウォーレン・バフェット氏らと並ぶ世界3大投資家
経済教養小説『きみのお金は誰のため』著者
母子家庭で育ちハーバード進学、投資歴30年
ウクライナ、ロシア、ガザ、中国、アメリカ…
まずは給与明細を準備して3項目を確認しよう
『日本国債入門』を書いた経済学者が解説
ボストン・コンサルティング出身の高松氏が図解
「NISA」「配当利回り」「ノー・フリーランチ」…
フリマアプリの「メルカリ」もラテン語由来
「資本主義改革」本で注目の清水大吾氏が解説
年初からの株価騰落率トップ10&ワースト10
勧められないこと、手を出してはいけない商品も
非課税枠は再利用できる? 配当金に課税?
エクイティースプレッド、VUCA、レジリエンス…
代表的なESG型ETFと大型株の値動きを比べると…
「前の時代の成功者が新時代に最も適合できない」
普通の銀行と何が違う? なぜ金利を上げる?
マイクロソフト、アップル、アマゾン、グーグル、メタ
オープンAI、アンスロピック、メタ、ソフトバンク…
『世界は経営でできている』の岩尾俊兵氏が解説
アメリカ予算編成に携わった中林美恵子氏が分析
明海大学・小谷哲男教授が貿易戦争の行方を解説
ウェーバー、渋沢栄一、ハラリ、ドラッカー…
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内