「日本車の牙城」タイで中国車バカ売れの実際 販売店も中国EVにシフトし始めた
長城汽車は4年前、タイから撤退するアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)から工場を買い取った。
EUによる対中関税引き上げが迫っていた5月、長城汽車は「ヨーロッパのEV市場が厳しさを増している」ことを理由に、ミュンヘンにある地域本部の閉鎖を発表した。
同社はヨーロッパでの事業を継続する計画だが、関税に関する厳しい見通しによって中国ブランドにとってはタイが一段と重要な市場になる、とチョンは語った。
販売店も日本車を捨て中国EVにシフト
中国のEVメーカー6社がすでにタイで自動車を販売しており、今年はさらに3社が参入する予定となっている。BYD、アイオン、長城汽車、合衆新能源汽車のネタ(哪吒汽車)とチェリー(奇瑞汽車)は、タイに工場を開設したか建設中だ。
「中国人はチャンスと見ればすぐに行動する」。6月に開催された中国のサプライヤー向け自動車カンファレンスで、タイ投資委員会の副事務局長ウィラット・タツァリンカンサクンはそう述べた。
44のショールームを持つディーラーネットワークのVグループ・カーズは、大半の店舗で中国ブランド車だけを販売しているという。このディーラーネットワークはスズキとの提携を停止。マツダ、三菱、フォード・モーターのショールームを、アイオン、ネタ、チェリーのブランド「オモダ」と「ジェクー」、および吉利汽車の高級EVブランド「ジーカー」の販売拠点に切り替えた。
アイオンはタイ進出1年目ですでに41のショールームを開設しており、7月には新工場での生産を開始した。インドネシアで工場を開設し、東南アジアの9カ国で自社ブランド車の販売を開始する計画も発表している。
(執筆:Daisuke Wakabayashi記者、Claire Fu記者)
(C)2024 The New York Times
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