「日本車の牙城」タイで中国車バカ売れの実際 販売店も中国EVにシフトし始めた

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タイの自動車市場における急速な変化は、EVを敬遠してきた日本や、テスラがEV市場を支配しているアメリカを本拠とする世界的なライバル企業を中国企業がいかに飛び越え、躍進しているかも示している。

日産、マツダ、三菱といった日本の人気ブランド車の売り上げが昨年急速に落ち込んだのは、消費者がそれらのブランドに代わって中国メーカーの新型EVを購入したためだ。

何十年にもわたって日本やアメリカの自動車メーカーと提携してきたディーラーは今、ショールームを中国車用に転換しつつある。競争が一段と厳しくなる中で、中国ブランドはEVの価格を大幅に引き下げてもいる。

「アジアのデトロイト」は世界制覇の足がかり

こうした国外への猛進出は、新エネ車に注力し、自動車業界のパワーバランスをひっくり返すことを狙う中国政府の長期戦略における新たなフェーズといえる。

政府の長年にわたる支援を経て、中国の自動車メーカーは今やEV大量生産の匠(たくみ)となった。信頼性の高いサプライチェーンも確立しており、価格を引き下げるための課題解決にも取り組んでいる。

中国EVの世界進出は、主要な2つの自動車市場で関税措置に遭っている。大量に流入する中国車によって自国企業が叩きつぶされるのを防ぐための措置だ。ヨーロッパ連合(EU)は6月に、中国から域内に輸入されるEVに最大38%の追加関税を課すと発表。その1カ月前には、アメリカが中国で製造されたEVに対する関税を4倍に引き上げている。

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