では具体的には、どんな手を打って来るだろうか。ひとつは訪中、日中首脳会談だ。訪米を控えた習近平国家主席としても、「とりあえず日中関係を良くしておく」ことは悪い相談ではないはず。国連総会での演説にも力が入るところだ。あるいは北朝鮮との拉致問題の進展、といったサプライズを仕掛けていることも考えられる。
問題の自民党総裁選はいつになるのか?
そんな中で、自民党総裁選の日程をどうするかが悩ましい。総裁公選規程によれば、「任期切れ前の10日間で投票」「選挙期間は12日以上」となっている。9月30日が任期切れなので、普通に考えれば「8日(火)公示→20日(日)投開票」となる。
ただし、参院で新安保法制を通せなかった場合が問題で、9月14日以降にいわゆる「60日ルール」による衆院再可決が可能になる。まさか自民党総裁選の最中に、衆院再可決ができるだろうか。総裁選後に再可決を目指すとしたら、今度は外交日程も絡んでくるし、27日の会期末を睨んで瀬戸際の国会運営となってしまう。
もっとも8月に4週間もの審議時間をかけて、新安保法制に答えを出せないとしたら、それこそ「参院無用論」を加速することになってしまいそうだが…。
この問題をクリアするためには、衆院再可決を先に済ませた後で、「9月18日(金)公示→9月30日(水)投開票」という日程も考えられる。ただしこれでは、国会会期の最後10日分が無駄になるし、せっかくのシルバーウィーク(今年は19日から23日が5連休だ!)に、盛り上がらない自民党総裁選を戦うことになってしまう。
さてどうするのか。ひとつだけ間違いないのは、永田町は久々に、「政局の夏、緊張の夏」を迎える、ということである。
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