米国が利上げなら円高、1ドル105円も 日本株の今後の不安は「中国」ではない
ひとことで言えば「引け味の悪さ」というべきだろうか。8月5日の国内株式市場は、夏休みシーズン入り直前であることや、週末の7日に米雇用統計の発表が控えていることもあり、狭い値幅での取引が想定されていた。
フタを開けてみると、前場の途中からスルスルと上昇し、日経平均株価の高値は前日比195円高の2万0715円まであった。だが結局、大引けでは2万0614円と上げ幅を縮小。前日比では上昇して引けたものの、相場関係者からしてみれば、引け味の悪さが残ったというわけである。
米雇用統計前の「手仕舞い」のための買い上げか
日経平均株価は6月24日に2万0889円をつけたあとに急落し、一時は1万9115円まで下落した。その後は7月21日に2万0850円の戻り高値をつけたものの、6月高値を超えることはなかった。
その後は2万円の大台割れを免れ再び高値を目指しているように見える。だが、5日は目立った材料がない中での先物主導の上げであったことから、むしろ持続的な上昇は難しいとの印象が強くなった。
そう考える理由を、もう少し詳しく説明しよう。現在は日本の企業の決算発表シーズンであり、これを受けて株価が上下している。週末の米雇用統計発表を前に、無理をして積極的に上値を買う理由はない。しかし、5日の日経平均は一時大幅高となるなど、ややサプライズの値動きがみられた。
では、なぜこんな値動きになったのか。米雇用統計前に保有株を手仕舞うため、先物主導で株価を押し上げたことが背景にあると考えられなくもない。もしそうなら、今上値を買うのは、少なくとも現時点では危険であろう。また、引け間際に急速に上げ幅を縮めたことを考慮すれば、日本株が新たなステージに入るには時間が必要との印象が強い。
少なくとも、日経平均が高値を更新できていないことを考慮すれば、短期的には上値の重さから調整場面を迎える可能性が高いと考える。
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