期待外れ?「AIエージェント」は"セグウェイ化"してしまうのか

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AIエージェントで、業務を正確に最後まで完結できないケースが、まだ多いのです(写真:tadamichi/PIXTA)
ローランド・ベルガー、KPMG FASなどでパートナーを務め、経営コンサルタントとして「40年の実績」を有し、「企業のDX支援」を多く手がけている大野隆司氏。
この連載では大野氏が自身の経験や大手・中小企業の現状を交えながらDXの効果が出ない理由、陥りやすい失敗、DXの将来性について語る。
今回は「AIエージェント」について解説する。

一時期、セグウェイはもてはやされたが…

「AIエージェントって、なんだかセグウェイっぽくない?」

ベテランのコンサルタントの友人たちと雑談をしていると、決まってこんな話題になります。

ここでいうAIエージェントとは、LLM(大規模言語モデル)の推論力などを活用し、社内外のシステムと連携しながら業務を処理する仕組みのことです。

単に質問に答えるだけのLLMとは異なり、AIエージェントは自ら計画を立て、タスクを自律的に完結させる存在であると説明されています。

一方、セグウェイは、ジャイロセンサー(姿勢や傾きを検知するセンサー)などの革新的な技術を搭載し、スティーブ・ジョブズに「都市設計を変える」とまで言わしめた乗り物でした。

しかしながら、大きな期待とはうらはらに、現状においてセグウェイが利用されているのはごく限られた場所だけです。

もっとも、ジャイロセンサーそのものは、スマートフォンや自動車、家電など、私たちの身の回りで広く使われています。

この関係をなぞらえるなら、ジャイロセンサーがLLMやMCP(AIが外部システムと安全に連携するための仕組み)などのAI基盤技術であり、セグウェイがAIエージェントに相当すると考えることができます。

2025年に流行に乗ってAIエージェントに取り組んだ企業の間からは、「どうも思ったほど効果が出ていない」「期待した成果が見込めそうもない」といった声も聞こえてきます。

まさに「セグウェイ状態」です。

ローランド・ベルガーの調査(AI in SG&A: Driving efficiency and innovation, 2025)によれば、EUにおいて販管費領域でAIエージェント導入による財務的効果が確認できた企業は、わずか15%にとどまるとのことです。

日本だけが特別に苦戦している、という話でもなさそうです。

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