「額」じゃない!「率」で見ないと実態を見誤る
中野 今回の編集部からの指令は、「荒れているマーケットをどう見るか」ということですが、ひところと比べると、そんなに大荒れになっているとは思えないのですよ。
6月末から7月にかけての下げは、確かに下げ幅は大きかったのですが、下げ率で見ればさほどでもないじゃないですか。たとえば600円下落したといっても、日経平均株価がITバブル後の安値の約7600円の時(2003年)に600円下げるのと、今のように2万円台前後の時に600円下げるのとでは、600円の重みが違います。
藤野 日経平均株価が7600円だった時に600円下げると、下げ率にして7.89%。2万円の水準で同率の下げだと、1578円安になるから、600円安というのは、その4割にも満たないわけで、確かに率で言えば、大した下げではありませんね。
中野 メディアは下げたときに、率ではなく、金額ベース(幅)で言うから、本当なら大したことのない下げでも、何か大きく下げたような気分になってしまう。これって、ある種の錯覚なんですよね。だから、僕らはつねに金額ベースではなく、パーセントで見るようにしています。そのほうが実体を見誤らずに済みます。
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