留学先で「パンに生えたきのこ」食べた彼女の結末 「薄暗い場所でものを食べてはいけない」と実感

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典型的なルートとして、調理者の手に付着していた黄色ブドウ球菌が食材に付き、時間の経過とともに菌が繁殖。食材を食べた人に下痢や嘔吐が起こるというものがある。

「黄色ブドウ球菌による食中毒では、原因となる食べ物をとった後、早ければ30分、平均的には2~3時間で症状が出ます。横山さんの場合、購入したパンに黄色ブドウ球菌がついていた可能性が高いです。その菌が湿度の高い部屋の環境により、増えたのでしょう」

と菊池医師。湿度が65%以上の場所では、細菌が増殖しやすいことがわかっているそうだ。

なお、食中毒と思われる症状があった場合、原因となる食材を体の外に出すことが何よりの対処法。このため、下痢止めは服用しないほうがよく、横山さんの対応は結果的に最良だった。

また、横山さんは結果的に行かなかったが、医療機関を受診したほうがいいこともある。「1日10回以上の下痢」「吐き気がひどく水分が取れない」などの場合だ。

「食中毒で一番怖いのは脱水です。とくに高齢者は脱水により命に危険が及ぶことがありますので、受診をおすすめします」(菊池医師)

黄色ブドウ球菌による食中毒対策

湿度の高い夏は食中毒が起こりやすい。家庭内でも発生しやすいという。菊池医師の話をもとに、食中毒の予防策をまとめた。

夏はバーベキューなど、人が集まって食事をする機会も多い。上記に気をつけながら、イベントを楽しんでほしい。

菊池 大和 きくち総合診療クリニック

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きくちやまと / Yamato Kikuchi

2004年、福島県立医科大学医学部卒。浜松医科大学附属病院にて初期研修医。磐田市立総合病院外科、国立がんセンター東病院呼吸器外科、湘南東部総合病院外科科長・救急センター長、座間総合病院総合診療科などを経て2017年、土日も診療を行う総合診療クリニックであるきくち総合診療クリニックを開業。小児から高齢者まで、救急医療も行い、あらゆる症状を診る「総合診療クリニック」が全国に広がることを目指し、啓発活動にも積極的に取り組んでいる。

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狩生 聖子 医療ライター

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かりゅう きよこ / Kiyoko Karyu

1966年神奈川県生まれ。立教大学経済学部卒。OA機器商社に勤務しながら週刊誌での執筆を始め、フリーランスライターとして独立。現在は健康分野(健康、医療、医学部教育など)を中心に書籍の企画・編集、取材、執筆をしている。著書に「ぐっすり眠る!37の方法」 (宝島社新書)など。

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