典型的なルートとして、調理者の手に付着していた黄色ブドウ球菌が食材に付き、時間の経過とともに菌が繁殖。食材を食べた人に下痢や嘔吐が起こるというものがある。
「黄色ブドウ球菌による食中毒では、原因となる食べ物をとった後、早ければ30分、平均的には2~3時間で症状が出ます。横山さんの場合、購入したパンに黄色ブドウ球菌がついていた可能性が高いです。その菌が湿度の高い部屋の環境により、増えたのでしょう」
と菊池医師。湿度が65%以上の場所では、細菌が増殖しやすいことがわかっているそうだ。
なお、食中毒と思われる症状があった場合、原因となる食材を体の外に出すことが何よりの対処法。このため、下痢止めは服用しないほうがよく、横山さんの対応は結果的に最良だった。
また、横山さんは結果的に行かなかったが、医療機関を受診したほうがいいこともある。「1日10回以上の下痢」「吐き気がひどく水分が取れない」などの場合だ。
「食中毒で一番怖いのは脱水です。とくに高齢者は脱水により命に危険が及ぶことがありますので、受診をおすすめします」(菊池医師)
黄色ブドウ球菌による食中毒対策
湿度の高い夏は食中毒が起こりやすい。家庭内でも発生しやすいという。菊池医師の話をもとに、食中毒の予防策をまとめた。
夏はバーベキューなど、人が集まって食事をする機会も多い。上記に気をつけながら、イベントを楽しんでほしい。
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