「余ったパンを捨てるのをやめた」超人気パン屋ドリアン・店主の人生をガラリと変えた"モンゴルの友人からの素朴なひとこと"

広島のパン屋「ブーランジェリー・ドリアン」の3代目・田村陽至さんが、「捨てないパン屋」になったきっかけを紹介します(写真はイメージです:pic0000/PIXTA)
寝る間を惜しんで長時間働いても、利益が出ない。一生懸命つくったパンなのに、売れ残ったら、衛生上、廃棄するほかない。
そんな状況を打破しようと、広島のパン屋「ブーランジェリー・ドリアン」の3代目・田村陽至さんは、2012年に一時お店を閉めてフランス、オーストリアでパン修業し、店を再スタート。
パンの種類も絞り、ほどほどに働くので時間にゆとりができ、長期休暇もとれるように。そんな田村さんの働き方や、日々を綴った2018年発行の『捨てないパン屋』が、YouTubeでの紹介をきっかけに今改めて注目されています。同書より一部をご紹介します。
第1回は、田村さんが「捨てないパン屋」になったきっかけです。
捨てないパン屋になる
僕が、自分の店「ドリアン」で誇りに思っていることは、パンを捨てないところです。
たとえば、2015年の秋から今日まで、毎日たくさんパンを焼きましたけど、1つも捨てていません(正確には焦がしてしまったパンを数個捨てました。パンよ、すみません!)。
「捨てないパン屋」になろうと思ったのは、まだ菓子パンや総菜パンもつくっていた十数年前のこと。それまでは売れ残ったパンを捨てる、普通のパン屋さんでした。
当時、モンゴル人の友人が我が家にホームステイしていて、彼女が、「パンを捨てるのはおかしいよ」と言うのです。
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