今村さんの勤めているツクルバは、中古・リノベーション住宅のプラットフォームサービス「cowcamo(カウカモ)」を軸とする企業。同僚には不動産のプロフェッショナルが多く、アドバイザーには事欠かなかった。
「『立地が素晴らしいから!』と、社内の営業の担当者に連れられてこの部屋を見に来たときは、完全に工事中の状態でした。内装が全部剝がされ、ガランとした箱の状態だったのですが、部屋に降り注ぐ光を見たときに、感動して即決したんです」
確かに光の美しい部屋だ。角部屋ゆえ、2方向から光が降り注ぐ。取材時は7月の午後遅い時間だったが、夕暮れ前の西日がキッチンのグラス類に反射して、まるで居心地のいいカフェやバーのような雰囲気だった。
「この部屋には、カーテンをつけていません。レールがもともとなかったから面倒だというのが主な理由なのですが(笑)、この光が気に入っているからというのもあって……。基本的にこの部屋は来客を迎えるための部屋で、生活感を出さないようにしているから、目隠しする必要も感じません」
人気の目黒という立地で、朝から夕方まで陽光の移り変わりを存分に楽しめる部屋。それが、自らの不安や周囲の心配を乗り越えて、30代だった今村さんが手に入れた「ひとり暮らし」の空間だ。
「資産」として将来の売却も視野に
しかし30代、独身で数千万の不動産購入となれば、躊躇してしまうのも当然だろう。1LDKの間取りはこれからの家族構成によっては手狭になるかもしれない。購入当時に築50年で、旧制度の耐震基準のころに建てられている点も不安材料だ。
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