一方、HP6にはどこにも、あなたの生まれつきの資質や才能、天性、過去、強みなどにフォーカスしようとは書かれていない。
なぜなら、あなたがどれだけすばらしい性格や、天性の強み、お金、美貌、創造力を持っていようが、どんな才能を伸ばしてこようが、過去にどんな功績を収めていようが、それだけでは、さほど意味を持たないからだ。
いくら先天的な優位性やお金や過去の功績があっても、
●疲弊していて成果をあげられない(エネルギーの欠如)
●やり遂げなければという意欲やプレッシャーを感じない(必然性の欠如)
●最も重要なことに的を絞ったアウトプットが生み出ない(生産性の欠如)
●対人スキルがなく他者からの信用や支持を得られない(影響力の欠如)
●リスクをとって自分や他者を毅然と擁護できない(勇気の欠如)
といった状況があると、せっかくの優位性が発揮できないのだ。HP6がないと、どんなに素質に恵まれた人でも、迷子、疲弊、無気力、非生産的、孤独、不安な状態に陥る。
人生で成功したければ、自分が無意識に、簡単に、あるいは自然にできることだけに専念したのでは不十分だ。そうではなく、意識的に自分のハードルを上げ、居心地のいい領域を卒業し、自分の偏った考えや嗜好を乗り越え、他者を理解し、愛し、奉仕し、導くよう努めてこそ、成功できるのだ。
「強み」ブームの影響
これを言うと、二の足を踏む人が一定数いる。それは「強み」ブームの影響である。
私も個人的には、『ストレングス・ファインダー』など自分自信をより深く知るためのツールが大好きだ。ただ、他者を指導したり、自分が一段階上の成功を目指したりする手段として、強みを探ろうとすることはすすめない。
「強み」ブームは、人間には「生得的」な強み、すなわち、持って生まれた才能があるという考えに基づいている。せっかく「生まれながらにして」何かに長けているなら、それに専念すべきだという考えである。
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