精神科医が解説「幸せを感じている60代」の共通点 悪い記憶から生じる感情をどう断ち切るべきか

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いい記憶も悪い記憶もあなたの人生であり、大事なものではありますが、とらわれていては前に進めません。自分の記憶や嫌な感情に縛られている自分に気づいてみませんか。もうそろそろ、その記憶は捨てたほうがいいのでは?

過去のことを何度も引っ張り出しては、「あのときはああした、こうした」と言うのは、まわりの人をうんざりさせるものです。何度も思い出すのは楽しい思い出だけにしましょう。

「家のなかを断捨離したい」という中高年が多くいます。家のなかに使わないものがあふれているのと同じく、脳にも不要なものがたまっています。脳細胞は年々減っているのに、いらない記憶に縛られていると、新しいものが入ってこなくなるとイメージしてください。

今や人生100年時代といわれますが、人生は短いものです。年をとるたびに時間が早く過ぎるとは、よく聞く言葉です。ですから、大事なこの一瞬一瞬を過去や未来にとらわれることなく、今を生きてほしいと思います。そのための方法を考えていきましょう。

「忘れてもいいこと」はどんどん忘れよう

世の中には「そんなことも覚えているのか」という人と、「そんな大事な出来事も忘れてしまったのか」と驚く人に分かれます。中年になっても学生時代のことをよく覚えていて、「あいつに本を貸したのにいまだに返してくれない」とこまごました記憶を今でももつ人がいる反面、「本を貸したって? 覚えていないや」という人もいます。あなたはどちらのタイプですか。

私たちの脳のキャパシティは人それぞれ違いますが、古い記憶をため込んでいる人というのは、粘着質な傾向があります。こだわりが強すぎると、目の前の新しいことにチャレンジできないかもしれません。

人間は忘れる動物です。たくさん覚えてたくさん忘れます。そのなかであなた自身がつくられていくといっていいでしょう。忘れてもいいようなことは忘れていく。あなたのまわりではどんどん世界は変化していきます。そちらを楽しんで新しい経験を記憶してほしいのです。

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