子供の脳が萎縮する、危険な「触れ合い不足」 ノーベル賞学者が教える成育環境の重要性
子供の教育は小学校に入ってからが本番だと思っている人は、要注意。実は、脳の発達の観点から言えば、幼少期こそ働きかけに力を注ぐべきだ。海外の研究によれば、幼少期の触れ合いが足りない子は、そうでない子に比べて、脳のサイズが小さく、大脳皮質の組織が委縮しているのだという。幼少期の生育環境の重要性がわかるだろう。ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授が、最新の脳科学の知見も踏まえ、著書『幼児教育の経済学』の中から明らかにする。
子供の能力を決める要因としては、遺伝子や環境、あるいは遺伝子と環境の相互作用など、さまざまな議論があるが、子供が育つ社会的環境、特に家庭に目を向けることが必要とされている。
アメリカの子供が貧困家庭に生まれる率は以前よりも高くなっているので、能力格差を説明するうえでの家庭環境の重要性は大きな懸念材料である。そして、恵まれない環境で生まれ育つ子供が、中流以上の階級の子供が受けるような豊かな幼児教育を受けられないというのは純然たる事実だ。高学歴女性を母親に持つ子供と低学歴女性を母親に持つ子供との環境格差が生まれている。
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