女性の方が「器用に噓をつける」脳科学的な根拠 とりあえず「かわいい」「ウケる」もその表れ

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女性の方が、文脈の背景、場の空気を読む脳の領域が発達しているという(写真:Fast&Slow/PIXTA)
職場や学校など、集団の中で過ごす際には「まわりに合わせること」や「和を乱す行動を取らないこと」などが求められます。とくに日本においては、「場の空気を読むこと」が重視される傾向にあるといわれています。それはなぜなのでしょうか。
脳科学者・中野信子氏の著書『新版 人は、なぜ他人を許せないのか?』より、日本人と集団主義の関係について、解説します。

日本で集団のルールに逆らうことの難しさ

集団の構成員が、集団の決まりに異を唱えにくくなってしまうことの典型例があります。最近よく議論される働き方です。

新型コロナウイルスが猛威を振るっていた時期には、「不要不急の外出は控える」ということで、エッセンシャルワーカー以外にはリモートワークが推奨されました。

都市部における業務のうち、事務的な作業の多くの部分は、パソコンやスマートフォンなどでいつでもどこでも行える状況にあることを考えると、もし、出勤することが、ただ自分が働いていることを目視で確認してもらうためだけに行う行動なのだとしたら、わざわざ毎日オフィスに出向いて働かなければならない理由はありません。

コロナ禍以前から、ある程度はこのような状況はできつつあり、誰もがそうなのではないか? と気づいていながらも、慣例的に出勤し続けてきたと思います。

毎朝遅刻せずに会社に出てくることこそ模範的な会社員だという考え方が、集団内、ないしは社会のなかで当たり前のものとされている以上、それを社員の方から言い出すのは、なかなか難しいわけです。

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