女性の方が「器用に噓をつける」脳科学的な根拠 とりあえず「かわいい」「ウケる」もその表れ

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出勤が週2日で、週3日は自宅勤務が可能なら家で家事や育児ができる、往復2時間の通勤がなければ、その分、子どもと触れ合う時間が増える、などということは誰もが気が付き、望んでいるにもかかわらず言い出せません。

コロナ禍の自粛期間が明けるとともに、出社して仕事をするスタイルに戻す企業も多くなっているようです。リモートワークの良い面も悪い面もわかったうえでの判断であればいいのですが、何よりも集団のルールを重視する日本人は、「こういう状況だから仕方がありませんね」と集団内の誰もが納得できる理由がなければ、たった1人ではみなと違う行動が取れないのです。

たった1人でエスカレーターの右側(大阪では左側)に立ち止まることができないのと、理屈上は同じです。

かつて政府が推進していた「プレミアムフライデー」も同じようなものでしょう。毎月最終金曜日は15時になったら帰ろう、といくら旗を振ってみたところで、「得意先から15時以降電話がかかってきても受けられないなんて、そんなバカげた話があるか」ということで、うやむやになってしまったようです。得意先の人も強くうなずいたことでしょう。

宗教による安息日のような誰もが納得する拘束がない日本では、プレミアムフライデーを厳格に実施しようとするならば、「毎月最終金曜日に15時以降働いたら/働かせたら罰金」というくらいにまで、まずは規制をかけない限りは変えることは難しいでしょう。

「破壊的な天才児」より「従順な優等生」が優遇される

このように、日本において社会性の高さが重視されてきたことには理由があるのですが、さらに指摘しなければならないと考えているのは、子どもの教育環境における排除の働きやすさです。

集団の維持、社会を破壊しないことの大切さを教えることは、日本では学校教育でも極めて重要な原則として行われています。集団(クラス、学校)を維持し、社会のルールを壊さないという暗黙の課題に能力を発揮する子どもが、教師に評価され、褒められる仕組みになっているわけです。

学校のクラスに、おとなしくて従順でそこそこ優秀な優等生と、天才的な頭脳や、ある分野に突出した才能を持っているけれど、学級崩壊のトリガーになってしまうような子どもがいたとすれば、ほぼ100%前者が好感をもって受け入れられ、後者がたとえ前者より良い成績を上げていたとしても、厚遇されることはめったにないでしょう。

次ページ秩序だけを重視すると、損なうものもある
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