「土日も同僚と一緒が当然」の国があった! どこまでいってもチームが大事

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――それだけ人を支えてつながっていけるというのは、トーゴの人たちはオープンマインドなのですね。

トーゴ人はずっと祖先より、それぞれの部族の文化が敵対しないように心がけていました。何か問題があっても大げさにせずに解決するようにしてきたのです。

ひとつ面白い習慣をお話しましょうか。何か悪いことをしてしまったら、次の朝4時ごろに相手の家を訪ねて謝るのです。

朝訪ねて来られたら、どんなに怒っていても許さなければいけないというルールがありました。自分が悪いと認めて、許しをもらいに行くことは許すよりも大変ということです。そうして人々は対立しないように暮らしてきました。

それでも解決できない問題が起こったらまず村長のところに行き、その後、村の人に話をします。そしてみんなが「よい」と決めたらOKで、もし「悪い」と決められたら村を出なければいけませんでした。いつもまずは「話し合い」なのです。

今では法廷に持ち込む事もありますが、そこでもやはり話合いです。

自分の意見が尊重され、決定権があるという意識

トーゴ共和国の国旗

――ビジネスでもチームワークと改善が得意なのは、いつも話合いで自分の意見が尊重され、決定権を持つ1人であるという意識があるからなのですね。

そうです。仕事でチームワークがよい理由はまだあります。トーゴでは週末も同僚と一緒に過ごす事が多いのです。金曜日に同僚と休日の過ごし方を話し合います。それも家族みんなで、それぞれの家に行くことが多いのです。

毎週末どこかの家などで集まっているので、結局仕事もプライベートもずっと一緒、そうするとひとつの大きな家族のようになりますよね。

――それでは仕事を選ぶということは、プライベートも含めて考えなければいけないのですね。

はい、同僚は家族ぐるみでみんな知っています。仕事を辞めても関係は続いて、たとえば昔の同僚がスウェーデンにいるのですが、スウェーデンに行っても泊めてくれます。

――オープンマインドと言えば、異なる宗教同士の結婚もできると聞きました。

はい、私の奥さんはキリスト教で、私はイスラム教です。子どもたちは自分たちで何にするか選びます。強制ではありません。そういう人はたくさんいますよ。

部族もさまざまです。私は北の出身ですが、奥さんは南です。部族が違っても問題なく、逆にほかの部族のことを知ろうとします。ほかの部族の文化を知って、たとえば1つひとつのお祭りがなんのために行われているかを理解しようとします。そうすると、トーゴ全体をもっと理解できるようになるからです。日本人ももっと外の文化を知るようにしたら全体が理解できるようになると思います。

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