そして、楽観的の反対に、悲観的という言葉があります。この違いもわかりますか?
何かことにあたるとき、実は、楽観的な人も悲観的な人も、同じように「何かまずいことが起こるかもしれない」とは考えています。違いは、楽観的な人は「でも、それを乗り越えられるはずだ」と捉えているということです。
たとえば、岩場の下にいるザリガニを捕まえようとしている場面を想像してください。能天気な人は、何も考えずにとりあえず手を入れて、挟まれて痛い思いをしてしまいます。
楽観的な人というのは「手を入れたら挟まれて痛い思いをするかもしれない。挟まれないように気をつけて、そっと手を入れよう。ただ、万が一、挟まれたとしても、たいした怪我じゃないからチャレンジしてみよう」というように考えます。
一方、悲観的な人はどうかというと、「大きなザリガニがいて、挟まれた途端に指が切れて血がドバーッと出て大怪我をしたらどうしよう……」といった思考にはまってしまいます。
よりよい行動を見つけるために
これはさすがに極端な例かもしれませんが、私が言いたいのは、楽観的な人も悲観的な人も、双方ともちゃんと「リスクを考えている」ということ。
ただ、悲観的な人が過剰に警戒をしてしまう一方で、適度にリスクを考えられるのが楽観主義者です。その意味では、楽観的な人にも悲観的な部分があり、単なる能天気とは違います。
そして、楽観主義者は行動しますが、悲観主義者は殻にこもって行動できなくなってしまうのです。
過去の経験や体験を振り返る「内省」によって、経験から学び、よりよい行動を見出していく方法は、専門的には「経験学習」と呼ばれます。
その方法の1つとして、およそ1万5000人の行動変容データをもとに私が開発したのが、夜、寝る前などに、その日に「できたこと」を書き出し、1週間に一度、それについて内省することで、よりよい習慣を身につけるメソッドです。
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