「できたこと」といっても、小さなことでかまいません。たとえば、次のようなことです。
・初めてアポイントが取れた
・丸1日、子どもと公園で遊んだ
・いつもより10ページ多く勉強した
・早起きをして満員電車を避け、一駅歩いた
・宴会の幹事を引き受けたことに感謝された
私はこのメソッドを「できたことノート」と名付けていますが、ここでいう「内省」は、頭の中で考えをめぐらすだけでなく、それを文章(内省文)として書きます。
私たちは、「できなかったこと」をどうやったら「できるようになるか」と考えることはよくあります。
ところが、ほとんどの人が、「できたこと」に対してはあまり深く考えません。「できたこと」に満足して、そのことに疑問は持たずスルーして、すぐほかのことを考えてしまいがちです。
だからこそ、いったん立ち止まり、「なぜ、うまくいったんだろう?」と、自分に向かって質問をすると、「こんな原因があったから、こうなったんだな」と考えが深まります。
すると、「次はこんなやり方にしてみようかな」と、工夫することや改善すべき行動を思いつきます。こうして人はよりよい行動を取れるようになっていくのです。
「できたこと」を深く考える質問
内省といっても、何を考えたらいいのかわからない人も多いでしょう。
それを誰でも簡単にできるようにする方法があります。それは、「質問」です。質問をきっかけにして、私たちの「深い思考」はスタートするのです。「できたこと」から深い思考を引き出していくための質問は、次の4つです。
① 具体的に何があったのか?(=詳しい事実)
② なぜそれができたのか?(=原因の分析)
③ いま、素直にどう感じているか?(=本音の感情)
④ 明日からどんな工夫をしてみるか?(=次なる行動)
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