負の感情が湧き上がったら思い出したい心の法則 「考えないようにしよう」なんて実はできない

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不安やストレスから解放されて笑顔を見せる女性
つらい記憶はなかなか消せませんが、どう反応するかは自分で決められるはずです(写真:熊澤充 / PIXTA)
 過去の失態や失言を思い出すたび胸が苦しくなったり、浴びせられた悪口やクレームが頭から離れなかったり、将来が不安でたまらなくなったり……。
いつも似たような場面を思い出して苦しい気持ちにさいなまれているのは、感情や思考に心をフックされ(釣り上げられ)てしまっている状態です。
そのようなとき、「Acceptance and Commitment Therapy(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」、略して「ACT(アクト)」と呼ばれる心理療法のアプローチが助けになるかもしれません。
ACTは1980年代にアメリカで生まれ、1999年に最初の専門書が出版された、比較的新しい心理療法で、「現状を受け止め、自分が大切にしていることを明確にして、それに基づいて行動するための心理療法」の意味を持ちます。
日本におけるACT研究の第一人者で、「ACT Japan」の顧問(初代理事長)、武藤崇氏の新刊『ACT 不安・ストレスとうまくやるメンタルエクササイズ』から、苦痛や不安、コンプレックスを生み出している「思い込み」について、一部を抜粋・編集してお伝えします。

感情のコントロールなんて誰もできない

喜怒哀楽は突然やってきます。

「やったあ!」という喜びや、「めっちゃ楽しい」という笑顔に不快感を覚える人はあまり多くないと思いますが(騒ぎすぎは禁物かもしれませんけれど)、唐突な怒りの感情や抑えようのない悲しみの涙は、周囲の人を困惑させることが多いものです。

特に激しい怒りは人を恐れさせますから、できるだけ自己コントロールすべきだといわれています。アンガーマネジメントという言葉も広く知られるようになってきました。

でも、感情のコントロールなんてできるのでしょうか?

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