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負の感情が湧き上がったら思い出したい心の法則 「考えないようにしよう」なんて実はできない

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  • 武藤 崇 同志社大学心理学部教授
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残念ながらできません。

怒りはなんらかのきっかけで自動的に湧いてくるものです。バクバクいい始める心臓も、頭に上っていく血液も、冷たくなっていく手足も、私たちがコントロールできるものではありません。感情コントロールなんてできっこないのです。

喜怒哀楽、感情のコントロールは私たちにはできません(イラスト:docco)

でも、感情が私たちの行動をコントロールすることもまた、できないのです。

怒りが湧いたからといって、必ず暴言を吐いたり、人をなぐったりしなくちゃいけないわけではありません。

悲しくてたまらないからといって、ヤケ酒やヤケ食いをしなくちゃいけないわけではありません。

感情はコントロールできなくても、行動はコントロールできます。感情はお天気のように、絶え間なく変化しているものです。湧き上がった感情の嵐も、少し時間をおけばいつの間にか過ぎ去っているということも多いものです。

不愉快な感情で心がいっぱいになったら

想像してみてください。感情の嵐が吹き荒れているときのあなたは、底なし沼でおぼれかかっている人のようなものです。

「やばい、おぼれる」と思った瞬間、その手は救いを求めて空(くう)をつかむでしょう。両足は水を蹴って前に進もうとするに違いありません。そのたびに藻は足にからまり、焦り、不安になり、大声で叫びたくなります。

でも声が出る前に口には泥水が入ってきます。もがけばもがくほど、体は沼に沈んでいくのです。

何をすればいいの? どうすれば助かるの?

答えは明白、何もしないことです。

不安や心配で、もがけばもがくほど、底なし沼に沈んでしまうようなら、何もせず、全身の力を抜いて大の字になればいいのです(イラスト:docco)

全身の力を抜き、大の字になるのです。

顔はあおむけにしましょうね。そうそう、体がゆっくり浮かんでくるのがわかるはずです。口が水の上に出たら、そっと息をしましょう。

大丈夫、あなたは浮かんでいます。おぼれてパニックになっていたのはさっきまでのこと。もう大丈夫。

もう一つ、別の想像もしてみましょう。

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