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負の感情が湧き上がったら思い出したい心の法則 「考えないようにしよう」なんて実はできない

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  • 武藤 崇 同志社大学心理学部教授
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②逃げる、やめる

専門的には、回避行動といいます。不愉快な気持ちが湧き上がりそうな場所や人や機会を避ける行動のことをいいます。仕事を変えたり、不登校になったり、友達との集まりに行くのをやめたり、実家に帰るのを控えたり。

それが悪いとは言いません。でもそのせいで、あなたが目指すものが手に入らなくなることもあります。

学校に行けなくなることで、希望の進路が選べなくなる。友達と会うのをやめてしまうことで、孤独な気持ちや不安にさいなまれる。それがあなたの人生の価値を見失わせてしまうこともあるかもしれません。

③別のものに依存する

不愉快な感情にフタをして、他のものに依存してもつらさや苦しさを忘れられるのは一瞬です(イラスト:docco)

例えばお酒、甘いお菓子、買い物、恋愛やセックス、宗教、自傷行為……。

どれもその瞬間はつらさや苦しさを忘れさせてくれるかもしれません。

でも、残念ながら大きな代償が支払われることになります。健康、仕事、人間関係、経済状態、そして自分を好きでいる気持ちも失われてしまうかもしれません。

差し出されたものは、そのまま受け取る

あなたをさいなむ不愉快な思考や感情は、そのまま受け取るしかありません。確かに不愉快です。イラッとします。悲しくなります。つらい気持ちにもなるでしょう。

でもそれは、あくまでもごく自然な不快感です。ACTではこれを「クリーン(きれい)な不快感」といいます。そのときにはつらくても、時間とともに消えていく可能性が高いのです。

一方で、前述した①〜③のような対応をしたり、なんとか解決しなくてはとジタバタあがいてしまうと、「ダーティーな(汚い)不快感」になってしまい、失うものが多くなってしまうのです。

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ACTでは、湧き上がった感情も思考もすべてそのままで受け取りましょう、と伝えています。

「なんでこんなことになったんだ?」「誰が悪いんだ?」と、問題の原因や背景を洗い出すこともしません。考えれば考えるほど、迷宮に迷い込んでしまうからです。

言葉は次の言葉を生み、次の言葉はまた別の言葉を生みます。

そのせいで最初の不快感の原因が大したことではなかったはずなのに、頭の中で熟成されてまた別の不快感を生み出してしまうのです。

差し出されたものは、そのまま受け取りましょう。抑えつけたり、隠したり、逃げたりせず、ただそこにおいておく。それで十分なのです。

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