そうすると、次第に冷静に自分のことを見られるようになり、たとえつらい状況にあったとしても、
「今日はちょっとがんばりすぎかも」
「私っていま、けっこう大変なときだな」
と、落ち着いて自分の気持ちを分析できるようになります。「凹んだ自分」に気づくことで、自分に対してやさしい気持ちが芽生えるのです。
感情を表すのが難しければ、いくつかの選択肢の中から選ぶ方法でもかまいません。
人には、「うれしい」「わくわくする」といったプラスの感情と、「不安だ」「イライラする」といったマイナスの感情がありますが、ここではアメリカの心理学者のロバート・プルチック氏が分類した「8つの基本感情」を示しておきます。
② 信頼(trust) 誇らしい、よくやった、さすがだ、など
③ 期待(anticipation) 面白そう、わくわくする、興味が出た、など
④ 驚き(surprise) 驚いた、びっくりした、予想外だ、など
⑤ 恐れ(fear) 心配だ、不安だ、こわい、など
⑥ 悲しみ(sadness) 悲しい、寂しい、泣きそうだ、など
⑦ 怒り(anger) イライラする、腹が立った、ひどい、など
⑧ 嫌悪(disgust) 嫌だ、こりごりだ、うんざりだ、など
ちなみにプルチック氏は1980年、この8つの基本感情と、2つの感情の組み合わせである応用感情から成り立つ「感情の輪」を提唱しています。
重要なのは、「マイナスの感情はダメで、プラスの感情さえあればいい」というわけではないということ。
プラスの感情によって満足してしまい、「現状維持バイアス(※)」のために行動を変えることができなくなることだってあります。つまり「プラス・マイナスどちらも、大切な私たちの感情」なのです。
※ 現状より良くなる可能性があっても、リスクを恐れて安心を得たいために、いまの状態を続けることを好み、変化を避ける心理傾向のこと
マイナスの感情にとらわれたときは?
とはいえ、誰しもイライラが収まらなかったり、怒りの感情がどうにもできなかったりするときがあります。不安で眠れない夜もあるかもしれません。
そんなときは、たとえば、「イライラ!」「怒!」「不安!」とだけ書いてください。できたら小さい声で「私はイライラしている」「私は怒っている」「私は不安でいっぱいだ」と読んでみましょう。
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