教室「暑すぎ問題」解消、断熱ワークショップとは 生徒自身がDIY、「勉強に集中できる」効果実感

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もちろん、エネルギーが自給できるというのは豊かな証拠でもありますし、建物の快適性の高さも幸福度に関係ありそうです。

ちなみに日本の再エネ比率は20.3%(2021年度)、幸福度は51位(2024年度)。現状維持ではなく、まずやってみよう!という姿勢こそが大切なのかもしれません。

これからの注目は、「高性能賃貸」

最後に、竹内さんがこれからトレンドになると考えているのは、高性能賃貸住宅だそう。太陽光発電を積んでエネルギーの自給と快適な暮らしを実現させる、高断熱高機密な集合住宅。そこにはまちづくり的な要素も含んでいます。

長野県佐久市で竹内さんが取り組んだのが、断熱性能等級6相当の賃貸住宅「Terrace 梨四季」。各戸に電気自動車のEV充電設備も付いています。

断熱性能等級6相当の賃貸住宅「Terrace 梨四季」(写真提供/エネルギーまちづくり社)

岩手県紫波町では、小学校の跡地を活用した「農ある暮らし」がテーマの「ノウルプロジェクト」を展開中。竹内さんが手がける住居棟は、断熱性能等級7の集合賃貸住宅。農業を知り学べる場所として、地域のにぎわいや人材育成の面でも注目が寄せられています。

「山形エコタウン前明石のエコハウスは分譲でしたが、そのアパート版、長屋版も今進めているところです。高断熱高気密な建物を社会に広めていくには、もう住宅を一軒ずつ建てていくのでは遅いだろうと」。高性能な集合住宅は、地域の財産にもなって、長く使われていくことが期待できます。

学校から公共施設、オフィスビル、集合住宅まで。断熱がもっともっと当たり前になれば、快適で幸せな暮らしにつながっていくはず。学校断熱ワークショップに携わる若い世代にも、そんな未来を描いてもらえたらと願うばかりです。

●取材協力
エネルギーまちづくり社
代表取締役
竹内昌義さん
神奈川県生まれ。一級建築士。省エネ建築診断士。みかんぐみ共同代表。東北芸術工科大学デザイン工学部 建築・環境デザイン学科教授。専門は建築デザインとエネルギー。保育園、エコハウス、オフィス、商業施設の設計などに携わる。
エネルギーまちづくり社

(取材・文/塚田真理子)

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『SUUMOジャーナル』編集部

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