「椿山荘」の含み益が狙い?藤田観光の株価急騰 DOWAが保有する31%超の株の行き先に熱い視線
6120円だった株価がわずか4日の間で9050円に――。
ホテル業界大手・藤田観光の株価が6月18日に突如急騰を始めた。この日、株価は1000円上昇しストップ高を記録。6月21日まで4連騰した。時価総額も747億円から1104億円へと跳ね上がった。
東証プライム市場に上場する藤田観光は全国にビジネスホテルを展開する。業界で10番手前後の準大手チェーンだ。旗艦ホテルは1280室を構える超大規模の新宿ワシントンホテル本館(東京・新宿区)。歌舞伎町でひときわ目立つ「ゴジラヘッド」のホテルグレイスリー新宿(同)も運営する。
ホテル椿山荘東京(東京・文京区)を所有・運営することでも知られる。客室単価が5万円を超える高級ホテルで、結婚式は年間1500件超と国内ホテル最多クラスの挙式数を誇る。八芳園、明治記念館、ホテル雅叙園東京とともに「東京4大式場」と呼ばれる。元老・山県有朋の邸宅でもあった。
藤田観光の株価急騰のきっかけは、M&Aに関するニュースを専門に扱う『Mergermarket』(マージャーマーケット)が6月17日に報じた記事にあった。「DOWAホールディングスが31%超を保有する藤田観光株を売却する可能性」を示唆するものだった。
「3Ⅾが株式取得の意向」との報道
DOWAは銅・亜鉛・レアメタルの製錬などを行う非鉄金属メーカー大手で東証プライム市場に上場する。DOWAはかつての藤田財閥の中核企業で、観光部門が独立したのが藤田観光だ。藤田財閥二代目当主が椿山荘を別邸としていた。
記事が株式の売却先候補としたのは、アクティビストとして知られるシンガポールのファンド、3Dインベストメント・パートナーズだ。同ファンドが株式取得の意向を示す書簡をDOWAに送ったという。
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