ヨーロッパの港湾に「中国製EV」が大量滞留の背景 EV販売が失速、中国メーカーの輸出拡大に暗雲

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中国メーカーはヨーロッパ市場へのEV輸出を急拡大させてきたが、先行きに暗雲が漂い始めた。写真は中国の港で船積みを待つ上海汽車集団製のEV(同社ウェブサイトより)

「中国からヨーロッパに輸出されたEV(電気自動車)が、荷揚げ港のヤードに大量に滞留しているのを目の当たりにした」――。

中国のEVメーカー、睿藍汽車(リバン)の海外事業部の責任者を務める鄧暁丹氏は6月7日、重慶市で開催された自動車業界のフォーラムで、5月にヨーロッパを視察した際の経験を紹介した。

睿藍汽車は民営自動車大手の吉利汽車(ジーリー)の傘下企業で、電池交換式EVの開発・生産を手がける。「欧米市場のリスクは大きい。自動車の輸出にあたっては、細心の注意と長期的な計画が必要だ」。鄧氏はそう述べ、中国メーカーのやみくもな輸出拡大に警鐘を鳴らした。

ドイツの補助金終了が痛手に

ヨーロッパの港に滞留する中国車については、実は現地メディアが先に報道している。自動車業界紙のオートモーティブ・ニュースの欧州版は4月15日、複数の自動車メーカーがヨーロッパの港で広大なヤードを借り上げて輸入車の臨時保管場所にしており、その大部分が中国車だと報じた。

この記事によれば、ドイツ政府がEVの購入者に支給していた補助金を2023年12月に打ち切り、ヨーロッパ最大のEV市場であるドイツの需要が冷え込んだため、行き場を失った輸入車が港に滞留しているという。

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