私が勤務する英オックスフォード大学では、6月は試験の季節である。日本の大学とは異なり、最終学年にほぼ一斉に行われる試験(final exams)の結果次第で、卒業できるかどうかが決まる。しかも、大学での成績は将来にとっても重要な意味を持つ。学生にとって就職や大学院への進学の機会に大きな差が出るのである。
大抵の試験は3時間の論文形式で行われ、多くの学生はイグザムスクールと呼ばれる、試験実施に特化した建物で受験する。その際、大学が定めたサブファスクと呼ばれる「正装」(白シャツ、黒の上着・ズボン・ボータイ、ガウンと帽子)を着用しなければならない。人生を左右する重要な試験であると同時にフォーマルで儀式性の強いイベントといえる。
抗議行動の複雑な背景
ところが今年の最終試験で異変が起きた。パレスチナを支援する学生が、建物の一部を占拠したのだ。オックスフォード大学がイスラエル寄りの立場にある、と主張し批判した、抗議行動である。その結果、一部の試験が中止された。
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