
病を理由に3度も辞表を提出した道長
激務によって疲労困憊し、腰痛もひどくて、ほとほと仕事が嫌になってしまった……。
そんな現代のビジネスパーソンでもよくありそうな悩みを、藤原道長も抱えていたようだ。
「道長が急病に悩まされている」と囁かれるようになり、藤原行成は藤原為任とともに、確かめに行っている。すると、民部権大輔である源成信と会い、「腰病に苦しめられています。邪気の行ったものでしょう」と聞かされることになる。
挙句には「出家しようと思う」と道長が言い出したのだから、ただごとではない。藤原行成の記した日記『権記』では、長徳4(998)年3月12日の出来事として、次のように記されている。
「左大臣、重ねて民部権大輔成信朝臣を遣わして上表した」
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