有料会員限定

貿易赤字に固執するアメリカ政界の嘆かわしさ 大統領選挙が近づき大量に生まれる悪い政策

✎ 1〜 ✎ 730 ✎ 731 ✎ 732 ✎ 733
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
共和党のトランプ前大統領
共和党のトランプ前大統領(写真:Hannah Beier/Bloomberg)

大統領選挙が近づく中、米国では悪い政策アイデアが大量に生まれている。中でも最悪といえるものの1つが、外国からの資金調達に課税することで貿易収支の均衡を目指すアイデアだ。このような「資本流入税」を導入すれば、外国からの資金調達コストは一段と上がり、金利も上昇、資本コストが経済の全域で増大する。

主流派の経済学者は貿易赤字を単純な悪とはみていない。米国経済が抱える問題として貿易赤字はささいなもので、そもそも問題であるのかすら疑わしい、という見解が多いのだ。ところが、大統領選挙で共和党の候補指名が確実になっているトランプ前大統領は以前から、貿易赤字国はとにかく貿易で「負けている」という発想だ。

したがって、トランプ政権が復活すれば、輸出を増やし、輸入を減らそうとするのは間違いない。その手段には、関税、貿易相手国への脅し、ドル安誘導などが含まれるが、米国の企業と金融機関が外国から行う資金調達のコストを引き上げる策が加わる可能性もある。

関連記事
トピックボードAD