教室「暑すぎ問題」解消、断熱ワークショップとは 生徒自身がDIY、「勉強に集中できる」効果実感

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「まずは学校から環境を変えていく。学校の建物は共通事項が多いから、意外と広がりやすいはず。学校の断熱改修は、脱炭素社会に向けてのひとつの大きなきっかけになるのではないでしょうか」(竹内さん)

役所や公共施設、オフィスビルにも断熱を

2025年、すべての新築住宅では断熱等級4が義務化されます。

「さらに2030年までのなるべく早い時期までに、断熱等級5をデフォルトにしようという動きがあり、6まで必要なのではないかとされているのに、既存の集合住宅や公共施設、営業施設は大きな遅れをとっています」と竹内さん。次はどこに目を向けたらいいのでしょうか。

「これまで学校断熱の話をしてきましたが、学校で過ごす時間は朝から夕方まで。夏休みや冬休みもある。もっと長い時間稼働する役所の建物を断熱すれば、エネルギー削減と快適性の向上が実感できて、断熱効果を訴求できるのでは」

例えば、2021年に新築された北海道ニセコ町の庁舎は、屋根や壁に20cm超の高性能断熱材を入れ、窓はすべて木製サッシのトリプルガラスを採用。冬はマイナス20℃にもなる環境でありながら、暖房費は半減。エネルギー効率と快適性は、旧庁舎とは比べものにならないほどだといいます。

ニセコ町役場(撮影/笠井義郎)
木製サッシ
金属製に比べ断熱性が高いシラカバ材の木製サッシ。窓にはトリプルガラスが採用されている(撮影/笠井義郎)

「ニセコ町の庁舎は窓の比率が高くないのが特徴的です。ヨーロッパのビルも窓の面積が小さい。アメリカ・ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルは窓ガラスをすべてトリプルガラスに改修し、エネルギー使用量が低減、改修費は3年で回収できています。

東京都心にあるような全面一枚ガラスのオフィスビルは、デザイン性とメンテナンスを重視して建てられていて、エネルギー効率まで考えられていませんよね」

住宅でも、光熱費の元が取れるかという話に終始していたときはなかなか進まなかった断熱化ですが、ヒートショックが防げて、快適性が上がって、エネルギーも減るということが周知されてきた経緯があります。

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