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7月末が「円安の終わり」となるための3つの条件 日銀に課された「利上げ」と「相応規模の減額」

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どう転んでも円安。今や日銀金融政策決定会合は円売りイベントと化した。この流れに終止符を打つには。

今回は発言で円安を招くことなく会見場を後にした植田総裁(写真:Bloomberg)
※本記事は2024年6月20日6:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。

日銀は6月14日に開催した金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0〜0.1%程度で現状維持とする決定を下した。

事前報道で注目された長期国債の買い入れ減額、いわゆる量的引き締め(QT)に関しては方針自体が決定されているものの、具体的な金額や時間軸は7月30~31日の会合で詰めるという情報発信にとどまっている。

利上げに対する言及もなく、QT決定も先送りということで為替市場の初期反応は円売りで反応している。後述するように、展望レポートも兼ねた7月会合への期待値は否応なしに上がらざるを得ない。

もっとも、日銀が能動的に出せるカードが決して多くない中、ECB(欧州中央銀行)が見せるような予告型の運営で時間を稼ぐという一手は賢明にも思える。

慎重さは評価されていいはずだが…

もちろん、植田和男日銀総裁が言うように「望ましい国債保有残高とか(それに対応する)超過準備の水準に到達するまでにはかなりの時間がかかる」というのが実情であり、時間稼ぎの意図はなかっただろう。

しかし、今回何かを決めたところで為替市場はどのみち、因縁をつけて円売りを進めるのだから、小刻みに事を進めるが吉である。

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