株急落でも政府の脱円安「利上げ容認」は続くのか 日銀「タカ派転換」の確度が「円買い」を左右する

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日銀は今後、四半期に一度のペースで利上げしてもおかしくないほどの情報発信に転じた。「円金利の上昇で日米金利差が縮小するから、円買い」というかつてない事態は本当に訪れるのか。

政治が利上げをバックアップという異例の事態(写真:Bloomberg)

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日銀による0.15%ポイントの利上げ以降、為替・株式の両市場で大荒れが続いている。ドル/円相場も7月上旬の高値である1ドル=162円付近をピークに軟調地合いに転じた。

今年4月以降、縮小していた日米金利差を無視するように円安・ドル高が進んできた経緯があり、日銀の利上げを契機に両者の相関が戻ってきたという印象が強い。

金利差を無視するように円安・ドル高が進んできた時間帯に関して言えば投機的な色合いが色濃かったと言える。その背景に「日銀は利上げできない」という思惑があったはずであり、今回、その前提が崩れたので円売りポジションも崩されるに至っているのだと筆者は理解している。

ハト派からタカ派へ「日銀は変わった」という前提で市場は動いている。

日銀「四半期ごとの利上げ」もアリか

もとよりFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の利下げ着手は世界の市場参加者において既定路線であり、そこに大きなサプライズはない。

しかし、今回、日銀の公表文に記載された「展望レポートで示した経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ(以下略)」との一文は相応に刺激的であり、会見における「0.5%は壁として特に意識していない」との総裁発言も相まって、万年ハト派からの脱却を痛烈に印象付けるものであった。

こうした日銀の半ば宣言する「展望レポート(≒四半期)ごとの利上げ」が事実だとすると、これまでのイメージとはあまりにも変わってくる。

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