金融市場を左右するのはやはり米国経済だ。その先行きを占う。
多くの人が予想していなかった「日本銀行の7月タカ派転換」が金融市場の乱高下を誘発したのは確かだ。ただ日本株の乱高下に大きな影響を及ぼした円高ドル安の流れは、日銀の利上げ決定前から始まっていた。きっかけは米国で発表された経済指標だ。
7月11日に発表された米国の6月CPI(消費者物価指数)は前年同月比3%上昇で、前月の同3.3%よりも大きく鈍化した。これに合わせて市場では、インフレと闘っているFRB(米連邦準備制度理事会)がいよいよ9月にも利下げ姿勢に転じるとの見方が鮮明になった。そこに日本の財務省が、円買いによる為替介入を実施。円高ドル安の流れが始まった。
記録的な円高株安に
日銀の利上げ前までに日本円は1ドル当たり9円の円高が進んだ。日経平均株価の下落基調も7月中旬からだ。7月31日の日銀利上げ発表後の市場大変動のきっかけとなったのも、米国の経済指標だった。
ISM製造業景況指数などで市場予想よりも悪い結果が出た。さらに8月2日発表の7月雇用統計で、失業率が景気後退を示唆する水準だと確認された。週明け5日に日経平均が過去最大の下げ幅を記録するなど、記録的な円高株安につながった。
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