ファミレス「ジョイフル」が社員の独立を促す事情 人手不足にあえぐ外食企業が今やっていること

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しかし、人手不足という環境下で高い賃金を求めて労働側が選択するという状態になれば、こうした仕組みは成り立たなくなってくる。賃金水準に加えて、やりがいやキャリアアップの展望が見えない組織では、人は定着してくれない。

昔から飲食の世界は労働環境がキツいことで知られているが、それでもいつか独立して自分の店を持つ希望があった。だが、そうした展望がなければ、長い間働いてもらえるはずがない。

売り手市場の下で、外食チェーンが優秀な人材を長く確保するためには、キャリアアップを支援する仕組みや、独立を応援する仕組みを持つことが重要になってきたのである。

ジョイフルでは総店舗の16%がFC転換

ファミレス業界大手の一角、ジョイフルが、国内直営店の経営をベテラン店長経験者に託す、社員独立フランチャイズチェーン(FC)を本格始動させた。この制度によるFC店は2024年1月で97店舗になったといい、同時点のジョイフルの総店舗611店の約16%が一気にFC転換したという。

会社経験とやる気のある人に任せるほうが、営業力が高まる、という判断であり、最大3店舗まで運営できる制度になっているらしい。なぜ、こうした制度を導入するにいたったのだろうか。

ジョイフルは、九州、中四国中心の店舗展開であるため、それ以外の地域の方にはあまり馴染みがないかもしれないが、すかいらーく、ロイヤルホスト、サイゼリヤに次ぐ4番手のファミレス企業である。

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