串カツ田中、「新規出店が急ブレーキ」の深刻事情 年間出店計画数の半減を迫られ拡大戦略出直し
居酒屋大手の串カツ田中ホールディングス(HD)は、これまで成長の原動力としてきた出店計画の見直しを強いられた。
今2023年11月期に計画していたグループの新規出店数は、期初の時点で66店舗(うち串カツ田中50店舗)。それを中間決算発表のタイミングとなる7月、32店舗(うち串カツ田中25店舗)と半減することにした。
今年7月末時点で319店を構える串カツ田中HDは2008年に初出店。2011年にFC(フランチャイズ)展開を開始して以降、年間30ほどのペースで店舗数を増やしてきた。
店舗の増加ペースは、2018年11月期に52店舗増、2019年11月期は55店舗増とさらに加速。コロナの影響により、2022年11月期までの3年間は計36店舗の増加とペースが鈍ったが、今期は店舗数を再拡大する算段だった。
人さえいればお店を出せる
「人さえいればお店を出せるんですけどね」。7月末に、東京の本社で決算取材の席についた串カツ田中HDの坂本壽男社長は唇をかんだ。
8月に直営店11店舗を事業譲渡によりFCに転換した影響もあるが、出店数の半減が響き業績を下方修正。今通期の売上高は期初計画から8億円減の136億円(前期比24.5%増)、営業利益は同1億円減の6.8億円(前期実績1.6億円の赤字)とそれぞれ見直した。
業績見通しの修正を受けて、串カツ田中HDの株価は大きく下落。7月18日の終値は1560円と、前営業日7月14日の終値から115円、率にして約7%も落ち込んだ。
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