任天堂、「脳トレ」をヒットさせた驚きの海外戦略 ゲーム「ローカライズ挑戦」の知られざる軌跡
「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の大ヒット
任天堂にいた頃の私にとって、新たなフェーズへの入り口となったのが、「ブレーンエイジ」(脳を鍛える大人のDSトレーニング)の開発と発売だ。私がより積極的に構想をプッシュしたことで、西洋のすべてのマーケットに結果をもたらすことになる。
2005年の春に発売された「ブレーンエイジ」はこれまでと違い、日本のDSの売上に永続的な影響をもたらしていた。このゲームではタッチスクリーンとマイクを使ってパズルを解く。日替わりのパズルを解きながら自己チェックして自分の「脳年齢」を知り、ゲームをしながらこの年齢を下げていくのだ。
「ブレーンエイジ」は、川島隆太教授の研究が基になっている。川島教授は脳科学者で、日本の東北大学の教壇に立ち、研究を行っている。彼の研究は書籍化され、脳年齢の理論や様々なパズルを売りにして、日本でベストセラーになった。
任天堂のゲーム「ブレーンエイジ」は、岩田氏と川島教授が教授の理論をゲームにどう活用するか、アイディアをブレーンストーミングした結果生まれたものだ。このゲームは5カ月足らずで開発され、2005年5月19日に日本で発売された。
ビデオゲームでパズル、算数、音読など、本来なら楽しくないはずのエクササイズを楽しく変えた以外にも、「ブレーンエイジ」とそれがもたらす結果は、様々な面でこれまでと違っていた。
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