TVマン見た「マジで秘境」チベット仏教の村(後編) 「チベットの聖地」でラマが教える"瞑想"の秘訣

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彼は、長年ここに住み込み、修行をしている僧侶であるという。それから、寺の中にある仏像や壁画、フレスコ画を見ながらチベット仏教の歴史や哲学などを丁寧に教えてくれた。

ゴンパの中にあった仏像
ゴンパの中にあった仏像(写真:筆者撮影)

聖地で学んだ僧侶に瞑想の極意を聞く

ナコゴンパは偉大な翻訳家リンチェン・サンポによって創設された100以上のゴンパの1つで、その中でもかなり重要な役割を果たしている。

10世紀に生まれたリンチェン・サンポは仏教の経典をサンスクリット語からチベット語に翻訳し、それにより、ヒマラヤ地域に仏教を普及させたチベット仏教の歴史における重要人物である。

神聖なる場所で修行する僧侶から学ぶ機会は滅多にない。危険を冒し、ヒマラヤの奥地でつかんだこの偶然のチャンスを逃すまいと、以前から気になっていたことを尋ねてみた。

「すみません、実は瞑想が得意ではないのです。南インドのヨガアシュラムで1カ月ほど修行したのですが、どうしても瞑想中に余計なことを考えてしまいます。何かいい方法はないでしょうか」

南インドにあるシヴァナンダヨガのアシュラム
南インドにあるシヴァナンダヨガのアシュラム(写真:筆者撮影)
シヴァナンダ
シヴァナンダでは早朝、朝日が出るまで瞑想の修行があった(写真:筆者撮影)

すると、僧侶は笑みを浮かべて答えた。

「実は私もちゃんと瞑想ができなくてね。もう30年以上毎日やっているんだけど、なかなか難しいよね」

30年以上も毎日瞑想をしていてできないなんて、謙虚すぎると思った。彼はきっと、秘訣などを知っているに違いない。

「何かうまくいく方法はないですかね。ご自身がうまくいった経験などでいいんで教えていただけませんか?」

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