世界36カ国を約5年間放浪した体験記『花嫁を探しに、世界一周の旅に出た』が話題を呼んでいるTVディレクター・後藤隆一郎氏。
その後藤氏が旅の途中で訪れた、ヒマラヤ山脈にある辺境の地、チベット仏教の聖地「スピティバレー」で出会った「標高4000mに暮らす人々」の実態をお届けします。
朝日に包まれるナコの村を歩く
翌朝、ナコの村を散策した。朝日が差し込むその村は、清々しく、まるで別世界のようだった。空気は澄み渡り、生活の息吹が感じられる。
村人たちは早起きし、慌ただしく動き回っている。籠を背負った年老いたおばあちゃんや、洗濯物を干す若い娘たちの姿があちこちで見られた。
しかし、なぜか出会うのは女性ばかりだ。おそらく、男たちは農業や放牧に出ているのだろう。
途中、小学校を見つけた。可愛い子どもたちが校庭で遊んでいる。
「こんにちはー」
子どもたちが、珍しい来客を見つけ駆け寄ってきた。やがて、その数はどんどん膨れ上がり、最終的には20人近くになった。
「一緒に写真撮って」
カナさんと写真を撮るための行列ができた。
まるで大物女優でも来たかのようだ。
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